博多の夏祭り「博多祇園山笠」のクライマックスである「追い山」を翌朝に控えた7月14日(木)、「企業の社会貢献活動フォーラム〜企業とNPOのパートナーシップを展望する」を開催しました。

                

今年上半期、芸術・文化分野における中間支援組織「アートサポートふくおか」と共同で実施した「福岡都市圏における企業の社会貢献活動に関する実態調査」の結果報告プレゼンと併せて、福岡県内・外の、企業の社会貢献活動の最前線に精力的に携わるお三方からの事例紹介という二部構成にて臨みました。

                        

中でも、社会貢献活動の事例報告をしていただいたお三方は、それぞれに社会貢献活動に対する視点・手法が異なっています。

まず、佐賀銀行の多良淳二さんは、まず、自身が文化活動(グラフィック・デザイン)や地域づくり活動(※地域コミュニティや海外協力等)に熱心に取り組んでおられることを紹介され、その上で、佐賀銀行および同社の財団で取り組む社会貢献活動のあらましを説明されました。自身の創作スキルや独自に持っている草の根のネットワークを、佐賀銀行および同社の財団で取り組む社会貢献活動にも積極的に活かしておられること、電話一本で国内外の草の根活動とつながることができるということが、同社の社会貢献活動の推進において少なからず強みになっていることを指摘されました。日常的に、個人として、会社として、相乗作用的に社会貢献活動を充実させておられる様子がうかがえました。
そのような立場から、NPOと企業との関係のあり方については、「NPOの信頼性が大いに問われる時代が来る。財務等の情報を積極的に開示し、企業や行政と肩を並べられるぐらい力をつける必要がある。」と提言されました。

                         

続いて、九州労働金庫(※以下、「九州ろうきん」)の谷本慎一郎さんが、社会貢献活動として位置づけているNPO支援活動の概要について発表されました。ろうきんの社会貢献指針に基づいた、各種のNPO支援活動のあらましについて説明されましたが、ここ数年、金融機関としての本業を活かした仕組み(自動寄付システム)や助成制度等を行う中で、NPOと接点を持つ機会がとみに増えているそうです。その経験を踏まえ、NPOと企業との関係のあり方については、「互いにミッションを同じくできるかどうかが焦点。それがあってこそ、よりよいパートナー関係が築かれるだろう。」と提言されました。

                         

最後に、(株)タカミヤ(※「釣具のポイント」でおなじみ)の橋本潤さんは、創始者である先代社長の郷土愛(※会社の発祥が北九州市の小倉を流れる紫川河畔であること)が脈々と継承されている社風を紹介した上で、これまで専ら行政に頼ってきた公共サービスを見つめ直す必要性や、その流れでのNPOへの期待、そしてNPOと企業との連携の展開可能性について触れられました。その課題として、「行政にも限界があるはず、もっと市民に訴えかけていい。」、「NPOが企業や行政と対等に物事を進められるようになるには、NPOそれぞれに提案力を高める必要がある。」などといった点を挙げられました。

                         

以上の事例報告は、個人としての個性も相まって、まさしく三者三様の社会貢献活動を展開されているという印象でした。が、NPOとのパートナーシップも含めた、企業の社会貢献活動を促進していく上での示唆が大いに含まれていたように思います

                         

予定の2時間をオーバーする程の盛りだくさんの内容で、議論をもっと深めたかった感は残りましたが、私どもプロジェクトチームは、このフォーラムキックオフに、以後、社会貢献活動に関する定期的な勉強会を実施し、この分野について、多くの方々とともに掘り下げていく機会を設ける計画です。どうぞご注目ください。

なお、当日の配布資料をご希望の方は、メールフォームにて事務局までお知らせ下さい。(恐れ入りますが、資料代および送料はご負担願います)